温泉むすめを新設するための7つの条件について
近年、温泉むすめの新設(新しいキャラクターの造成)について、全国の温泉地より多くのお問い合わせを頂戴しておりますので、以下に弊社が考える必要条件をまとめさせていただきました。
耳が痛いと感じる内容かもしれませんが、もし新設をお考えでしたらご一読をいただけますと幸いです。
① 温泉むすめの展開案を提出する
キャラクタービジネスは「産むは安し、守るは難し」になりますので、新設後の活用方法について、ある程度のロードマップや活用案を頂きます。
現地ならではのコラボ案、宿泊プランの造成、現地イベントの開催意思の有無、グッズや等身大パネルの展開イメージ、参画希望の店舗や宿泊施設の一覧、主体となる団体の概要や参画に対する熱いメッセージなどをいただけると有難いです。
② 窓口担当を設置する
初期の導入からコンテンツの運用に慣れるまで時間がかかりますので、当面の間でも構いませんので専任の窓口担当の方をお1人以上ご用意いただけると、その後の展開がスムーズに進行ができます。
③ ファンを大事にする(商売目的ではない)
ファンはキャラクターグッズや等身大のパネル、その他を求めてお越しになりますが、あくまでも来訪のきっかけであって、温泉むすめ単体では大きな収益は生まれません。そのことを理解し、一人一人のファンを大事に受け入れていただくことが必要になります。
特にファンの方は純粋で無垢な方が多く、感情の機微に敏感なため、真摯に向き合い、例え、パネルの写真撮影のみの来訪だとしても丁寧に対応できる心の余裕が必須となります。
温泉街の活性化には幅広い年代をターゲットとしたいくつかの観光の柱を作ることが肝要で、現存する観光資源の再認識と磨き上げ、そして若い世代にPRするための多様性のある仕掛けを並行で行い、あくまでも観光促進の柱の一つが温泉むすめであるべきと考えます。
④ 域内及び域外との連携が可能
温泉むすめは全国展開をしている特性上、温泉地の内外との連携が不可欠です。以前のような団体客の囲い込みモデルではなく、個人旅行が目的のお客様に対して、温泉地内の回遊を促し、さらに土産店等の他の観光事業者と縦横で連携をすることで、より多くの方が目的(買い物や宿泊プラン、等身大パネル等)を持ってお越しになります。
よって、基本的に温泉街のない単館の温泉では新設が出来かねますのでご了承下さい。
⑤ 幅広い年代の方が参加できる
地方の組織は未だに年配者のトップが牛耳るトップダウンによる意思決定が大半で、決定の速度、展開の柔軟性、参加者の多様性に欠けることが往々にしてあります。そのような組織では新しいことを始めるにも、組織内の調整の連続となり、結果、最適なタイミングを逸したり、ファンのニーズを取りこぼすことに繋がります。
よって、サブカルに詳しい若者にもしっかり意見を聞いて取りまとめができるような、柔軟で有機的で幅広い年代の当事者が気軽に参加できる組織であることが必要になります。
⑥ 消費者ニーズを理解している
泊食分離はもちろんのこと、特にファンの方はお1人で温泉地にいらっしゃる方も多く、その受け入れを行うなど、現代の旅行ニーズに合わせた営業ができることも必須となります。
なぜなら泊食分離や一人旅など当たり前となったニーズを受け入れることができない場合、新しい概念や存在である「二次元キャラクター」を受け入れることは到底できないからです。
現在、旅行にはトキ消費が重要と言われます。その日その場所でしか体験できない観光体験を提供するためには、まずはキャラクターとそれを推すファンを理解すること、その理解を元にファンとコミュニケーションを重ねることで、キャラクターのファンから地域のファンを生み出し、居心地のいい第二の居場所を作ることで、ファンにとってかけがえのないオリジナリティのある観光地となり、結果、再来訪に繋がると考えております。
⑦ 先行投資をできる(覚悟がある)
温泉むすめはプロの中でも一流と言われるイラストレーターや漫画家がキャラクターを生み出し、多くの志望者の中で勝ち残り、さらに厳しい審査で選抜された人気実力を備えた声優が声を担当、そして、経験と実績豊富な脚本家やスタッフが物語や世界観、キャラクターを作っています。
また、公式グッズやキャラクターパネルのデザインや製造もほぼほぼ国内で行っており、全ての面において、デザイン及びクオリティへの妥協は一切行っておりません。そのため、他のアニメ作品やコンテンツよりは大変安価にご提供をしておりますが、それでも運用をしていくためにはある程度の先行投資が必要になりますのでご認識下さい。
弊社宛のお問い合わせでお試しでもいいので温泉むすめを作りたいとご要望を頂くことが多々ありますが、キャラクターは世にお披露目した瞬間、1キャラ1キャラが魂と使命を持って生まれてきますので、おいそれと気軽に制作することは出来かねてしまいます。
また、①でお伺いしたような長期的かつ継続的なサスティナブルな運用が必要になりますので、そちらも加味したトータルの予算取りをお願いいたします。
以上をご確認いただきまして、それでもキャラクターの新設にご興味がある場合は、最下部にある「お問い合わせ」よりご連絡ください。折り返し担当よりご連絡いたします。
2024年1月1日 制定
2024年5月5日 加筆・修正